レジリエンス

最近よくテレビやインターネットなどで、「レジリエンス」という言葉を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか? 逆境への強さを表す心理学用語ですが、生きづらいと言われる時代だからこそ、この言葉が注目されるのでしょう。

レジリエンスを辞書で引くと、「困難や苦境からの回復力、復活力」などと載っています。心理学では、逆境に置かれたときに早く復活できる人を“レジリエントな人”、逆に傷つきやすく、なかなか立ち直れない人を、“ブルネラブルな人”と表現します。同じ状況下に置かれても、反応は人それぞれです。

では、レジリエンスを高める関わり方として、先ずは「失敗を責めるより、“自分で解決(リカバリー)できる”という自信を養えるよう接していきましょう。例えば、ジュースをこぼしたら、「何しているの!」と責めるより、「どうしたらいいかな?」と聞いてみましょう。自分で布巾を取りにいってきれいにするのがまだできないようならば、その子ができる範囲で、一緒にこぼれたジュースを片付けてあげる。問題が起こるたびに、その子を責めるよりも、解決策を共に考え、実践することで、「自分には問題を解決する力がある」というその子の自己効力感を培ってあげましょう。

次に、なるべく普段、その子が「できている時」をこまめに認め、伝えてあげましょう。例えば、お友達と喧嘩した時にのみ、「仲良く遊びなさい!」と介入するのではなく、普段、できている時に、「仲良く遊べて楽しいね!」「玩具貸してあげられて優しいね!」と喜んであげるようにします。子どもは、普段から、たっぷりと「できる自分」を認められることで、たとえ、物事が思うようにうまくいかない時でも、「自分にはできることもたくさんある!」と思い出せるようになります。

最後に必ず笑顔になれるという安心感を培ってあげましょう。私たち大人も人間ですから、子どもの前で怒ったり、悲しんだり、落ち込んだりすることもあります。そして、それは、とても自然なことだと思います。それでも、そうしたネガティブな感情も、ずっと続くのではなく、再び笑顔で元気になれるという姿をみせてあげましょう。例えば、寝る前や翌日の起床時には、笑顔で子どもを抱きしめ、「大好きよ」と伝えることを習慣にしてしまうのも方法です。すると、子どもは、「何があっても、またこの温もりに戻ってこられる」という安心感を培うことができると思います。

子どものレジリエンスを高める関り方を心がけ、これからの世界を幸せに生き抜く子どもを育んであげたいですね。

吃音

「吃音」という言葉を聞いたことがありますか。別名の「どもり」と言ったほうが知っている方も多いのではないかと思います。

「吃音」とは、「お、お、お、おはよう…」と言葉の部分を繰り返したり、「おーーはよう…」と言葉の音を引き伸ばしたり、「…っおはよう…」と言葉がつっかえて出てこなかったりといった話し方のことを言います。

「吃音」は2、3歳をピークに出始めることが多く、幼児期に症状が消失することが多いようですが、就学後も「吃音」の症状が続く子どももいます。

この「吃音」は、誤解されていることが多々あります。

その1つに、保護者の関わり方に問題があり、子どもが「吃音」になるのではないかという考えです。『これには全く根拠がなく、吃音の原因は未だ分かっていません。』

それでも、残念なことにこういった誤解をされている方は多く、周囲の人たちに相談をすると、このような指摘に合い、辛い思いをされている方も多いのではないかと思います。

「吃音」があっても話しやすくなる方法について話をしてみたいと思います。

子ども自身「吃音」があると、委縮して話をしようといなくなる傾向にあります。先ほど、「吃音」の原因は保護者の関わりによるものではないとお伝えしましたが、「吃音」による問題を大きくしないためには保護者の関わり方が大切になってきます。

そこで、ご家庭で話をする時に、話し方(吃音)を気にするのではなく、子どもの話の内容に耳を傾けてみましょう。この時、ただ聞くのではなくうなずきや相槌、目を合わせる、正面を向くといった姿勢も大切です。子どもがきちんと話を聞いてもらえていると感じられると、たくさんお話をしたいという気持ちになり、話をする機会も増えていきます。

次に、ゆっくり語りかけて下さい。大人がゆっくり語りかけることで、子どもはリラックスしてお話することが出来ます。

「吃音」があると、どうしても話し方が気になってしまいますよね。でも、そのことで、普段の親子間のコミュニケーションを振り返る良い機会になると思ってみてください。きっと「吃音」が親子間のコミュニケーションをより良いものへと導いてくれます。