ブログ

サイト管理人のブログです。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ブログ一覧

意欲的に取り組むために

人はなぜ意欲が高くなったり、逆に低くなったりするのでしょうか。

人間の行動に影響を与える「動機づけ」について一緒に考えていきたいと思います。

動機づけとは、何かを行動するときの「したい!」といった「意欲」や「やる気」を起させ、それを持続させるための要因と考えられます。この動機づけが生じることで人は何らかの行動を起こしていきます。また、この動機づけの代表的なものに「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」があります。

内発的動機づけは、知的好奇心や関心といった気持ちから行動が生起され、知的好奇心が高い乳幼児期によく見られます。

外発的動機づけは、外界から与えられる報酬、義務、強制などによる動機づけをいいます。「褒める」「ご褒美を与える」などの報酬を得ると行動は「強化」され再び報酬を求め行動繰り返すようになり、強制的な外発的動機づけは時に本人の自発性を低下させることもあります。

意欲を高めるためには「なぜ意欲が低いのか」を考えることが大切になります。意欲が低い方では動機づけされていない傾向にあります。

では、動機づけていくには、自己効力感を高めたり、自己決定の機会をつくることや、行動に対して褒め受容することが重要になってきます。

自己効力感を高めるためには「できた!」といった達成感を体験していくことが大切です。そのためには見通しを持たせたり、本人がつまずいているポイントを把握して能力に合わせた課題を提示しながら成功体験を積み重ねていくことが大切です。

また、何か行動するときに自分で行動を選択し成功していくことで自信を持つことができるようになっていきます。そして自信がつくことで次のステップへと自主的に活動するための原動力が芽生え始めます。

それらの行動に対して周囲の人が「褒める」ことで自分を肯定的に受け止められるようになり、上手くいかない場合でもそのときの努力や気持ちが周囲から受け入れられることで再び挑戦しようという気持ちが持続するようになります。

この好循環の中で成長することで、今まで以上に笑顔があふれた生活を送ることができるようになります。

レジリエンス

最近よくテレビやインターネットなどで、「レジリエンス」という言葉を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか? 逆境への強さを表す心理学用語ですが、生きづらいと言われる時代だからこそ、この言葉が注目されるのでしょう。

レジリエンスを辞書で引くと、「困難や苦境からの回復力、復活力」などと載っています。心理学では、逆境に置かれたときに早く復活できる人を“レジリエントな人”、逆に傷つきやすく、なかなか立ち直れない人を、“ブルネラブルな人”と表現します。同じ状況下に置かれても、反応は人それぞれです。

では、レジリエンスを高める関わり方として、先ずは「失敗を責めるより、“自分で解決(リカバリー)できる”という自信を養えるよう接していきましょう。例えば、ジュースをこぼしたら、「何しているの!」と責めるより、「どうしたらいいかな?」と聞いてみましょう。自分で布巾を取りにいってきれいにするのがまだできないようならば、その子ができる範囲で、一緒にこぼれたジュースを片付けてあげる。問題が起こるたびに、その子を責めるよりも、解決策を共に考え、実践することで、「自分には問題を解決する力がある」というその子の自己効力感を培ってあげましょう。

次に、なるべく普段、その子が「できている時」をこまめに認め、伝えてあげましょう。例えば、お友達と喧嘩した時にのみ、「仲良く遊びなさい!」と介入するのではなく、普段、できている時に、「仲良く遊べて楽しいね!」「玩具貸してあげられて優しいね!」と喜んであげるようにします。子どもは、普段から、たっぷりと「できる自分」を認められることで、たとえ、物事が思うようにうまくいかない時でも、「自分にはできることもたくさんある!」と思い出せるようになります。

最後に必ず笑顔になれるという安心感を培ってあげましょう。私たち大人も人間ですから、子どもの前で怒ったり、悲しんだり、落ち込んだりすることもあります。そして、それは、とても自然なことだと思います。それでも、そうしたネガティブな感情も、ずっと続くのではなく、再び笑顔で元気になれるという姿をみせてあげましょう。例えば、寝る前や翌日の起床時には、笑顔で子どもを抱きしめ、「大好きよ」と伝えることを習慣にしてしまうのも方法です。すると、子どもは、「何があっても、またこの温もりに戻ってこられる」という安心感を培うことができると思います。

子どものレジリエンスを高める関り方を心がけ、これからの世界を幸せに生き抜く子どもを育んであげたいですね。

吃音

「吃音」という言葉を聞いたことがありますか。別名の「どもり」と言ったほうが知っている方も多いのではないかと思います。

「吃音」とは、「お、お、お、おはよう…」と言葉の部分を繰り返したり、「おーーはよう…」と言葉の音を引き伸ばしたり、「…っおはよう…」と言葉がつっかえて出てこなかったりといった話し方のことを言います。

「吃音」は2、3歳をピークに出始めることが多く、幼児期に症状が消失することが多いようですが、就学後も「吃音」の症状が続く子どももいます。

この「吃音」は、誤解されていることが多々あります。

その1つに、保護者の関わり方に問題があり、子どもが「吃音」になるのではないかという考えです。『これには全く根拠がなく、吃音の原因は未だ分かっていません。』

それでも、残念なことにこういった誤解をされている方は多く、周囲の人たちに相談をすると、このような指摘に合い、辛い思いをされている方も多いのではないかと思います。

「吃音」があっても話しやすくなる方法について話をしてみたいと思います。

子ども自身「吃音」があると、委縮して話をしようといなくなる傾向にあります。先ほど、「吃音」の原因は保護者の関わりによるものではないとお伝えしましたが、「吃音」による問題を大きくしないためには保護者の関わり方が大切になってきます。

そこで、ご家庭で話をする時に、話し方(吃音)を気にするのではなく、子どもの話の内容に耳を傾けてみましょう。この時、ただ聞くのではなくうなずきや相槌、目を合わせる、正面を向くといった姿勢も大切です。子どもがきちんと話を聞いてもらえていると感じられると、たくさんお話をしたいという気持ちになり、話をする機会も増えていきます。

次に、ゆっくり語りかけて下さい。大人がゆっくり語りかけることで、子どもはリラックスしてお話することが出来ます。

「吃音」があると、どうしても話し方が気になってしまいますよね。でも、そのことで、普段の親子間のコミュニケーションを振り返る良い機会になると思ってみてください。きっと「吃音」が親子間のコミュニケーションをより良いものへと導いてくれます。

切替え

楽しい事はいつまでもしたい。これは子どもに限らず大人も同じではないでしょうか。切替えをスムーズに行うためにはスモールステップで行っていく必要があると思います。

先ず初めにあらかじめ量を決めることです。

“無くなった=終わり“がイメージでき理解できるように促していきます。

途中でやめることは子どもにとってはとてもしんどい事だと理解してください。あらかじめ大人が“適量”を決めて、終わったら次の活動へ切り替えるよう促していき、できたらしっかり褒めてあげましょう。

次に、始めと終わりについて共有しておく必要があります。大人は曖昧な表現でもある程度イメージを共有し合えることが多いですが、子どもに対しても同じようには事は運びません。例えば「この前と同じ場所で待ち合わせ」と約束しても”この前…“、”同じ場所…“等曖昧な表現よりも「○○で待ち合わせね」と的確な表現を行うことが重要です。

子どもに対して「これがなくなったら終わりだよ」と、あらかじめ子どもにも共通イメージが持てれるように伝え、終わりの見通しを共有しましょう。「~したら・・・をする」という見通しを他者と共有できるようになると、「次は何?」と子どもの方から、尋ねてくるようになるでしょう。ただし、この「見通し」・・・目に見えない不確定の未来です。

私たちが雰囲気で何となく理解していることがわかりにくいという子どもの場合、先の予定や段取りなどの見通しを、目に見える形で共有するステップが必要なことがあります。

きっずぱれっとでの活動の中から、「見通し」を目に見える形(視覚支援ツール)で伝える方法の一例をご紹介します。

「始め」と「終わり」の意識が持てるように、サーキットの活動では、目印に足形シートを置きます。そして「~したら、次は・・・する」という意識が持てるように、活動のイメージカード(イラスト等)を時間の流れに沿って活動を順番に並べて提示しています。時間の感覚が苦手な子どもに対しては、タイムタイマー等も用いています。

次に終わりのサイン(合図)を決めておきます。

日常生活でも、合図で行動を切り替えることがよくありますね。 

いつも誰かがそばについていて、声をかけてあげられるわけではありません。大人の声かけですんなり切り替えできる場面が増えてきたら、「合図が聞こえた=今していることを終えて次のことをする」という理解ができるように繰り返し伝えていきましょう。

きっずぱれっとの活動の中でも、「合図がなったら終わり」の伝え方の一例をご紹介します。

 自由遊び等遊びに夢中になると時間を忘れてしまいます。タイムタイマーを設定してもなかなか見る余裕すらなくなるぐらい夢中に遊んでしまうので、時間が来たら“ピピピ”と終わりの合図でタイマーが鳴ります。

そして、この「合図」・・・目に見えない暗黙のルールです。

“目に見えないルールががわかりにくい”という特徴がある子どもの場合、合図について、言葉に含まれた意味(どの音が合図なのか?合図とは何か?など)を具体的に確認し合うことで、切替えがスムーズに行なうことができるようになります。

ワーキングメモリー

 物事を短い時間記憶しておくための1つの流れは、覚えてる対象に注意を向け、頭の中で注意を向け続けたり、反復したりすることです。

 多くの人は自然と行っていることですが、衝動性が強いと対象に注意を向けたり、覚えたことに注意を向け続けることが難しい子どももいます。他の事に注意が逸れたりするとすぐに忘れてしまいます。そうすると、何か作業を行うことが難しかったり、ルールのある遊びや人とのやりとりも難しいことがあります。忘れ物をしたり、物をすぐなくしたり、場所が分からなくなってしまうこともあるでしょう。それらを防ぐためには、ワーキングメモリーと言われる物事を短い時間記憶する力を伸ばす必要があります。

 注意を向けたり持続する力を養うことと同様に、記憶しておかないと正答できない課題をスモールステップで行います。

 きっずぱれっとの個別療育で実施している課題としては、絵カードを用いて、複数枚の絵カードを提示し、「○○を取ってください」と指示を出して選択させます。徐々に難易度を上げ、「○○と○○と○○を取ってください」などと2、3枚の指示を出したりします。このように記憶しないといけない量を増やし、離れた場所の絵カードを選択して取ってきたりすることも良い練習になります。

 また集団活動では、神経衰弱(テディメモリー)や伝言ゲームなどの難易度を下げてスモールステップで行います。これらの活動を通じてしっかり褒めて、楽しみながら短期記憶を伸ばしていくことができます。