声の大きさについて

 皆さんは声の大きさを意識して学習したことがありますか?声の大きさを場所や状況に合わせて使い分けることは、もしかしたら暗黙の了解で覚えてきたことかもしれません。『暗黙の了解』といった明確でないことが苦手な子がいます。しかし見方を変えると、明確に学習をすればしっかりと覚えることができるこどもです。では曖昧な物を明確にするために、目に見えない声の大きさを目に見えるように図示して分かりやすく伝えることで、状況に合わせて行動することができます。

 きっずぱれっとでは声の大きさ表を使って5段階の声の大きさを練習しています。子どもたちが分かりやすいように動物の絵を使用した声の大きさ表で、まずは動物の大きさを確認して、実際にその声の大きさを出してもらいます。

 例えば、集団活動の際には、『らいおんさんの声で』と声の大きさを伝え、返事を促します。

 「声が大きいよ」「もう少し小さい声で話そうね」などの抽象的な声掛けでは子どもは分かりにくく、『もう少し小さいってどのくらいだろう』と子どもは思ってしまいます。

 『もう少し』とはどれくらいのことを示すのか、場面に応じた適切な声の大きさを伝えてあげることでお子さまも意識できるようになります。外で遊ぶ時や、人前で発表するときはには“らいおんさんの声”、室内で遊ぶ時には“うさぎさんの声”など状況と動物をマッチングさせて伝えていきます。

 また、実際に声の大きさを普段の生活でも調整できるようにするためには、習慣化することが重要です。きっずぱれっとでは、活動の中で声が大きかった場合「うさぎさんの声でお話ししようね」というような声掛けを行っています。

 ご家庭でも一緒にやってみましょう。生活の中で繰り返し続けていくことで場面と声の大きさがマッチングでき、習慣化していきます。少しづつ意識できるように手助けをしつつ、出来ていたときにはたくさん褒めてあげましょう。